アレルゲンについて|商工給食【福島県郡山市】アレルゲンについて|商工給食【福島県郡山市】

1.はじめに少しお話を

 食物アレルギーの対応の原則は「原因食物を除去する」ことです。このため、学校給食・幼稚園給食においても、食物アレルギーへの対応をもとめられるようになりました。
 しかし、同じ食物が原因となっているアレルギーに対しても、その子供によって、必要な対応に違いがあることもあり、「卵アレルギーだから、こうすればよい」というわけには、いかない場合もあり、一人ひとりに適した対応を、家庭、医療機関と学校・幼稚園が協力して進めていく必要があります。


2.タンパク質がアレルゲンなんですって?

 私たち人間の食べ物は、母乳を除くすべてが、人間以外の生物の体や生産物です。食べ物には、タンパク質、糖質、脂質、ビタミン、ミネラルなどの成分が含まれていますが、アレルギーの原因物質(アレルゲン)になるのは、タンパク質です。
 タンパク質だけは、それぞれの生物(食品)が独自の形をしています。牛や豚や小麦など、他の生物のタンパク質とは、その形が異なっています。このため、他の生物のタンパク質が身体(血液)の中に入ってくると、それを異物として認識し、アレルギーの仕組みが働くのです。


3.アナフィラキシーへの対応

 アレルギーにはさまざまな症状がありますが、一番注意したいのはアナフィラキシーです。アレルギー反応によって、皮膚や呼吸器・消化器など複数の臓器に強い症状が同時に起こることをアナフィラキシー、血圧低下、意識障害を伴なう状態をアナフィラキシーショックといい、生命に係わることもあります。


4.食物アレルギーの仕組み

食物アレルギーの仕組み 食事でとったタンパク質は、胃から小腸に送られ消化酵素によってアミノ酸に分解され、消化管から血液中に吸収されます。
 しかし、一部未消化のペプチド(タンパク質の分解途中のものをペプチドと呼ぶ)は吸収されてしまうことがあります。アレルゲンタンパク質が消化管から血液中に入ると、「リンパ球」がアレルゲンに反応して血液中に「抗体」を作って抗原を排除しようとします。この時作られる抗体はlgE抗体と呼ばれます。
 lgEはアレルゲンが体内に侵入するたびに増え、それが一定量以上になると、皮膚や粘膜の内側にある「肥満細胞」に結合します。この状態を「感作」と呼びます。
 あるタンパク質に感作された状態になった以降は、そのタンパク質を摂取すると、消化管から未消化の状態で侵入したアレルゲンは、肥満細胞上のlgE抗体に結合します。
 そうすると、肥満細胞からヒスタミン・ロイコトリエンなどの炎症を起こす化学伝達物質が放出されて、アレルギー症状が起きるのです。
 ヒスタミンは、かゆみ、皮膚に赤み、浮腫(じんましん)、鼻水やくしゃみ、気管支収縮(ぜんそく)などの症状を引き起こします。


5.アレルギー対応の一番良いと思われる方法は?

アレルギー対応の一番良いと思われる方法は? アレルギーにおいては、卵とその関連食品、牛乳とその関連食品、大豆とその関連食品、小麦とその関連食品、他にも米由来、キウイ由来、そば由来、ピーナッツ由来等数限りなくございます。本来であれば、血液検査(ラストなど)や、皮膚テスト(プリックテストなど)による医師の診断書に基づき、家庭と学校・幼稚園と病院が三位一体となって、子供の除去食療法に取り組んでいかなければなりません。ところが、残念ながらすべてのアレルギーに対応できる所までは、地方の現状は追いついているとは言えません。
 とすると、現実としてはアンケート等により、子供のアレルギー実態を取りまとめ、できる範囲での対応別メニューを栄養士先生に作成いただき、通常使われる調味料においても、大豆や小麦を含まないアレルギー用をお使いいただければ幸いです。(ただし、お値段が少々高く、手に入れられる店が少ないです)それと同時に、アレルギーの種類事にまな板3枚・包丁3本・小さい行平鍋3個程度と、木へら・杓文字・レードルを同数ご用意いただいて、決して同じ物を調理に使用しない様、細心の注意を払っていただければ、現場での対応もまずは可能です。
 ある保育所においては、すべての食品を仕入れる際には、商品の成分分析表を取り寄せ、検討しています。通常使用します、油や醤油等においても、アレルギーを起こしづらい商品に切り替えております。
 しかし、現場だけにおいての対応には、限界があります。これまでであれば、一緒に切り分けた野菜等を大鍋で一緒に煮込み、途中でその中から少量取り分け、別の鍋で別の調味料等で味付けをして、アレルギーのある園児に提供する程度で済んでいました。和え物等も、冷蔵庫から取り出した後で、ごまやマヨネーズと混ぜる前に対応する子供の分だけ、別に作る程度です。この対応でさえ、なかなかできずにいるのが実態です。
 これからは、より一歩進んで除去食療法に取り組み、親子ともストレスに負けない様な楽しい除去食にして、子供のアレルゲンに対する耐性獲得に協力していくべきと考えています。
 食物アレルギー克服には、除去食療法が一番です。除去食を卒業できる日が必ずきます。できるだけ、「楽しく、おいしい」食事になるように、工夫しましょう。
 食物アレルギーの克服を目指してがんばりましょう。そして、心豊かに子供の健やかな成長を見守っていきましょう。



替わりの表記について

必ず表示される品目(特定原材料)

   代替表記 特定加工食品 アレルギー表示の
対象外食品例
表示されるアレルギー物質には、別の書き方も認められています。 一般に、名称からアレルギー物質が含まれていることが明白なときには、アレルギー物質名表記をしなくてもよいことになっています。 アレルギー物質と類似している食品の中には、アレルギー物質に含まれない食品があります。
えび 海老、エビ
かに 蟹、カニ
たまご、鶏卵、あひる卵、うずら卵、タマゴ、玉子、エッグ マヨネーズ、かに玉、親子丼、オムレツ、目玉焼、オムライス 魚卵、は虫類卵、昆虫卵
小麦 こむぎ、コムギ パン、うどん 大童、ライ麦、えん麦、はと麦
そば ソバ
落花生 ピーナッツ
生乳、牛乳、特別牛乳、成分調整牛乳、低脂肪牛乳、無脂肪牛乳、加工乳、クリーム(乳製 品)、パター、パターオイル、チーズ、濃縮ホエイ(乳製品)アイスクリーム類、濃縮乳、脱脂濃縮乳、無糖れん乳、無糖脱脂れん乳、加糖れん乳、加糖脱脂れん乳、全粉乳、脱脂粉乳、クリームパウダー(乳製品)、ホエイパウダー(乳製品)、タンパク質濃縮ホエイパウダー(乳製品)、パターミルクパウダー、加糖粉乳、調製粉乳、ほっ酵乳、乳酸菌飲料、乳飲料 生クリーム、ヨーグルト、ミルク、ラクトアイス、アイスミルク、乳糖(*1) 山羊乳、めん羊乳

※1:「乳糖」はタンパクの残留が確認されたため、特定加工食品として扱われます。


表示が勧められている品目(特定原材料に準じるもの)

  代替表記 特定加工食品 アレルギー表示
の対象外食品例
あわび アワピ とこぶし
いか イカ するめ  
いくら イクラ、スジコ、すじこ    
オレンジ 温州みかん、夏みかん、レモン、グレープフルーツ
キウイフルーツ キウイ
牛肉
(※2)
牛、ぎゅうにく、牛にく、ぎゅう肉、ビーフ
クルミ クルミ  
さけ さけ 鮭、サケ、サーモン、しゃけ、シャケ にじます、やまめ、いわな
さば 鯖、サバ
大豆 だいず、ダイズ 醤油、味噌、豆腐、油揚げ、厚揚げ、豆乳、納豆
鶏肉
(※2)
とりにく、とり肉、鳥肉、鳥、とり、チキン 焼き烏、ローストチキン、チキンブイヨン、鶏ガラスープ
バナナ ばなな
豚肉
(※2)
ぶたにく、豚にく、ぶた肉、豚、ポーク とんかつ
まつたけ 松茸、マツタケ
もも 桃、モモ、ピーチ
やまいも ヤマイモ、山芋、山いも とろろ、長いも  
りんご リンゴ、アップル
ゼラチン

※2:内蔵、皮、骨は表示の対象ではありません。